歯周病治療PERIODONTAL
DISEASE
歯周病の基本治療は
セルフケアと検診の
受診です
厚生労働省の資料によると、初期の歯周病といえる4mm～5mmの深さの歯周ポケットを持つ方の割合は、45歳以上で過半数を占めています。
歯周病は進行すれば歯を失う恐れがある一方、初期段階ではほぼ自覚症状がありません。歯周病の基本治療は、自宅で丁寧に歯磨きをすることと、歯科医院で定期検診を受け歯周病の有無や進行度合いをチェックすることです。
自覚症状がない段階で、予防歯科として定期検診を受けることから始めましょう。参考：e-ヘルスネット「歯周疾患の有病状況」（厚生労働省）
歯周病について
歯周病はお口の中で起こる感染症で、細菌が歯ぐきの炎症を引き起こします。
歯肉炎と歯周炎の総称が「歯周病」です。
歯ぐきの炎症が起こっている段階を「歯肉炎」といい、進行して歯の周りの組織まで炎症が起こることを「歯周炎」と呼びます。
初期の歯周病には、自覚症状がほぼありません。気づいたときには歯を支える組織が溶ける段階まで進行し、歯が抜けてしまうこともあります。
また、歯周病はお口の中だけにとどまらず、炎症が悪化すれば気管や血管内に細菌が入り、心臓疾患や誤嚥性肺炎、動脈硬化、糖尿病など全身にも影響を及ぼします。
歯周病のセルフチェック
- 歯磨き中に歯ぐきから出血する
- 歯ぐきの色が赤い、黒ずんでいる
- 歯ぐきが腫れている
- 歯ぐきがやわらかい
- 歯ぐきから膿が出る
- 歯ぐきが下がり歯の根元が見える
- 起床時にお口の中がねばつく
- 口臭が気になる
- 口臭を指摘されたことがある
- 歯が長くなったような気がする
- 硬い食べ物が噛みにくい
- 歯がぐらついている
歯周病治療について
歯周病は、症状によって治療方法が異なります。歯周ポケットの深さが4～5mmの軽度の歯周病であれば、ブラッシング指導やスケーリングなどで改善が望めます。
しかし歯周ポケットの深さが6mm以上になるまで歯周病が進行すると、外科治療や歯周組織の再生治療が必要です。
▶軽度の歯周病の治療
軽度の歯周病の治療は歯周基本治療と呼ばれ、下記の2点を行います。
- ブラッシング指導
- 歯科医院でのスケーリング
歯周病を予防・改善するのに大切なことは、ご自宅での歯磨きとプロによる歯石・歯垢の除去です。ブラッシング指導では、患者さんの歯にあった歯磨きの方法をお伝えします。
スケーリングでは、歯科医院で専用の道具を使用し、歯磨きでは取り切れない歯周ポケットや歯の表面の歯石や歯垢を取り除きます。
▶中～重度の歯周病の治療
中度～重度の歯周病の場合、歯周外科治療や歯周組織の再生治療を行います。
歯周外科治療で行うのはフラップ手術です。歯ぐきを少し切開し、スケーリングでは除去しきれない歯石や感染物質を除去します。
重度の歯周病では、歯ぐきを切開したのちに再生治療を行います。細胞を増やす成分が含まれた薬剤のリグロスやエムドゲインを用います。
中度～重度の歯周病の治療は患者さんに負担がかかるため、歯周病予防に取り組み、歯周病の進行を抑止することが大切です。
子どもも歯周病になる？
歯周病は大人だけの疾患ではありません。子どもも、初期の歯周病である歯肉炎になる可能性があります。歯肉炎を放置すれば、大人と同様、重度の歯周病になりますので注意しましょう。
歯周病にかかると、歯ぐきの腫れだけではなく、口臭もでてきます。歯肉炎の症状が出る前から小児歯科で定期的に検診を受け、むし歯や歯周病の予防をしていきましょう。
手遅れの歯周病になると
どうなる？
歯周病が進行し歯を支えている骨が溶けると、やがて歯を支えきれなくなり、歯が抜けてしまいます。平成元年より、80歳になっても自身の歯を20本以上残そうという「8020運動」が行われており、達成するシニア世代も徐々に増えています。
歯を失った場合は、入れ歯やインプラントを入れることになりますが、入れ歯は噛み心地に難点があり、食べるものが制限されてしまいます。
インプラントは手術が必要で、誰にでも適用できる治療ではありません。
できるだけ自分の歯を残せるように、歯周病予防や治療を続けていきましょう。
もし、入れ歯やインプラントが必要になった際には、当院でもご相談いただけます。
年齢に関わらず歯周病を
予防、治療しましょう
歯周病は、大人も子どももかかる可能性がある疾患です。むし歯と同様、家族にうつしてしまう可能性がある病気であり、歯周病を放置すればやがて歯を失う原因となります。
当院では、子どもから大人まで症状に合わせた治療を行うのはもちろんのこと、歯科医院を嫌がるお子さんや、歯医者が苦手な方も通いやすいように工夫された歯科医院です。
ご家族で歯周病予防に取り組みましょう。